火曜日, 11月 07, 2006

特別講演「脳卒中を予防するために」

10月28日,当院で松村院長による特別講演が行われました.多数の参加者で会場は熱気に包まれておりました.ご来場いただいた方にはお礼を申し上げます.
以下に,特別講演の概要を掲載します.


脳卒中を予防するために
20061028
高橋脳神経外科病院 特別講演
院長 松村茂樹

脳卒中をよく理解する

「動脈硬化」

ほとんどの脳卒中の原因

動脈の壁が厚くなったり固くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態.
一種の老化現象
個人差がある・・飲酒,食事,運動不足,飲酒,ストレスが影響する.


脳卒中の種類

血管の閉塞脳梗塞:脳血栓と脳塞栓

脳血栓:動脈硬化で徐々に血管の壁が厚くなり,血管が詰まる.

脳塞栓:心臓などから流れてきた血の塊(血栓)が詰まる.

血管が破綻:脳出血とくも膜下出血
脳出血:脳内の細い血管が動脈硬化で破れて脳を壊して出血する.
くも膜下出血:脳血管にできた動脈瘤(風船状のコブ)が破裂して脳の隙間に出血が回り込む.


脳卒中の症状

突然発症する.
軽い症状から徐々に進行して重症になる.
一過性の前ぶれ後に大きな発作を起こす.

片側の麻痺がでた
スリッパが脱げる
半身がしびれる

箸が使いづらい
うまく飲み込めない
ボタンがうまくできない

物忘れしやすい
計算ができない

頭が痛い
頭が重い
めまいがする
まっすぐに歩けない

意識が障害される
気を失う
反応が鈍い
やる気が起きない

話ができない
言葉がうまく出てこない
ろれつが回らない
言葉が理解できない

片目が見えない
二重にダブって見える
視界の半分が見えない

脳卒中の原因(危険因子)を取り除く発症の危険率を低下させる

自分で管理できない危険因子

加齢:脳卒中の2/365才以上に発症
性別:男性は動脈硬化の進行が早く,脳卒中の発症率が高い.
遺伝:くも膜下出血の多い家系がある.


自分で管理できる危険因子

高血圧:脳卒中の危険性が健康人の5
高脂血症:血液中のコレステロールや中性脂肪の数値が高いと動脈硬化を進行させる.
糖尿病:動脈硬化を進行させる.脳卒中の危険性が2.5
心臓病(不整脈):特に心房細動は危険.脳梗塞(脳塞栓症)の危険性が5.5
肥満:脳梗塞の危険性が2倍以上.



危険因子の管理のために
定期検査を受ける
薬の服用を守る

絶対に禁煙:たばこは百害あって一利なし,脳卒中の危険性が2倍以上.
節酒: 過度の飲酒は脳卒中の危険性を高める.日本酒11合まで.ビール大瓶1本まで.ワインはグラス2杯まで.
食生活や嗜好品の見直し:バランスの良い食事・塩分を控える・食べ過ぎない・植物性脂肪にする.
水分摂取:1日最低1.5L,意識的に水分を摂る.
かぜは大敵
適度な運動
早期発見が大切:専門病院で定期検査を受ける.
「普段と違う!?」「何か変だ!?」脳卒中が疑われたらすぐに受診する: