月曜日, 10月 23, 2006

慢性硬膜下血腫とは

軽微な頭部外傷後に「慢性硬膜下血腫」が生じることがあります。 頭蓋骨のすぐ下に「硬膜(こうまく)」という厚い膜があり、さらにその下に脳を包む「くも膜(くも膜)」という膜があります。この硬膜とくも膜の間に、比較的ゆっくりと時間をかけて血のたまり(血腫)ができてくるものを、「慢性硬膜下血腫」といいます。
 
きっかけとなる外傷は「転んで頭を打った」「家具や棚などに頭をぶつけた」など、比較的軽症なものが多く、ぶつけた直後には特に異常は見られないことがほとんどです。 受傷後数週間~数ヶ月たって、頭痛や歩行障害、また周囲からみてなんとなく様子がおかしい(ボケたようだ)などで、病院に来られて、検査をして始めてわかることが多いです。 治療方法は手術でたまった血腫を取り除くことです。頭蓋骨に約1cmの小さい穴を開けて、ここから細いチューブを入れて血を洗い流す手術を行います。 局所麻酔で行える手術で、所要時間は約一時間です。
慢性硬膜下血腫は、症状が出現してから早期に発見し治療(手術)を行えば、後遺症を残すことなく治癒する疾患です。 しかし、発見が著しく遅れたり、症状が出てから長く放置されたりすると、手術しても後遺症が残ったり、回復に時間がかかり入院期間が長くなってしまうこともあります。
 
慢性硬膜下血腫を早期に発見して適切な時期に治療を受けるため、頭を打撲したらその2-4週間後に、体に異常を感じていなくても脳神経外科を受診して、CTやMRI検査を受けることをおすすめします。

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