土曜日, 12月 08, 2007

嚥下障害の検査 ( VF ) について

当院リハビリスタッフ ST(言語聴覚士)の志田より嚥下障害の検査・VFについて説明してもらいました.


「 嚥下障害の検査 ( VF ) について 」 ST 志田大輔
嚥下障害の症状として一般的に知られているのが、食事中の “むせ” です。しかし、むせの無い誤嚥が非常に多いのも事実です ( 不顕性誤嚥 ) 。嚥下造影検査(Videofluorgraptic examination:VF検査)は患者さんに造影検査食を嚥下してもらい、検査食の流れと貯留状態、嚥下関与器官の動きをX線透視画像として観察を行い、障害部位の判定し貯留・喉頭進入・誤嚥などの病態評価を行なう方法で嚥下障害を評価する方法の中でも重要な検査法の1つです。
VF の目的・特徴は、診断的 VF治療的 VF の 2つに大きく分けられます。診断的 VF とは、誤嚥の有無・むせの有無や程度、原因を評価します。治療的 VF は、誤嚥や咽頭残留 ( のどに食べ物が飲み込んだ後にも残ること ) がある場合、姿勢 ( ※当院では検査は90°位のみしか行なえないが、VFの結果等から造影後に食事時の姿勢調整は可能です)や食物形態や一口量を変え、様々な嚥下法や手技を組み合せて、造影中に効果を検討します。異常の検査で得られた情報を基に、その後のリハビリテーションや実際の食事内容や姿勢・介助法などに生かしていくのです。


【VFで診れる嚥下の流れ】


本検査の問題点

VF検査は嚥下機能検査法の中でも信頼性の高い方法ですが、X線被曝の観点から長時間の撮影や繰り返しの評価を行うことは困難です。
本検査を行う為に、検査者は解剖学的構造と嚥下障害の機序に関する知識のほか、代償方法や嚥下機能賦活法の知識と排出のための技術が必要です。
また患者様にとっては検査室という特殊な環境や体位の不自由さ、あるいは緊張のため普段とは異なる嚥下を行う患者様もいます。
そのためVF法で得られた評価結果が患者様の嚥下機能のすべてであると過信せずに、他の嚥下機能検査法を組み合わせて総合的に評価を行う事が大切になります。

8 件のコメント:

ヨッシー さんのコメント...

VF検査以外に嚥下機能を評価する方法はあるのでしょうか。又、VF検査を行わず嚥下訓練をおこなってもいいのでしょうか。お教え下さい。

高橋脳外 さんのコメント...

ご質問ありがとうございます。さっそく質問に対する回答を記入させてもらいます。
Q:VF以外の評価法について
A:当院ではVF以外の評価として反復唾液飲みテスト(RSST)・改訂水飲みテスト・フードテストを行っています。

Q:VFを行わずに嚥下訓練を行ってよいのか?
A:VFの無い病院等では上記した検査法を中心に評価をし、訓練を行っているところが多いと思われます。嚥下障害の病態は様々であり、評価は必須です。VFの有無に関わらず正しい評価を行い、アプローチしていくことが重要と考えています。

返答になっているでしょうか?わからない事がありましたら投稿してください。

新しい記事の方で詳しく説明しています.

ヨッシー さんのコメント...

たいへん参考になりました、今後の看護に対しての参考にさせて頂きます、先生、MEさん、ありがとうございました。私はナースをしておりますが、MEの国家資格も持っているものです。失礼いたします。

ヨッシー さんのコメント...

すいません、MEさんではなくSTさんの誤りでした。本当にお二人に御礼申し上げます、失礼いたします。

いのみちち さんのコメント...

細々とやっているブログですが,お役に立てて光栄です.
ヨッシーさんの質問で,ネットらしいつながりを実感できました.またちょくちょくのぞいてみてください.
今後とも宜しくお願い申し上げます.

匿名 さんのコメント...

大変参考になりました。ありがとうございます。パーキンソン病の人と脳梗塞の患者さんなど脳疾患の患者さんで嚥下造影による特徴的な所見はあるのでしょうか?

匿名 さんのコメント...

質問があります。
1、STさんが、VFをする、しないを判断をする基準はあるのですか?

2、STさんは、VFしなくても、嚥下状態が、わかると思いますが、それでもVFするメリットはあるのですか?

素朴な疑問です。
よろしくお願いいたします!

札幌宮の沢脳神経外科病院 さんのコメント...

コメントありがとうございます.
質問1について
STはスクリーニング検査やフードテストをまず行います。その結果、誤嚥のリスクが高い場合や咽頭~食道期障害が疑われた場合は医師に報告し、今後どのように進めていくべきか話し合います。その中で、医師がVFを行うのかどうかを判断します。VFを行うことで安全な食形態を判断できるだけでなく、嚥下動態を動画で確認することができるため、誤嚥や残留の原因がどの筋・どこの感覚低下によるものかを抽出することもでき、訓練計画を立てる際にも利用する事が可能です。

質問2について
A:サイレントアスピレーション(ムセのない誤嚥)や咽頭感覚が低下された患者様の咽頭残留を評価することは食事等の観察だけでは正確性を欠きます。VFでは上記のような表立った反応が出ない場合も抽出することができるため有効な評価方法として当院では行っています。
またVFは画像で誤嚥や残留を確認できるため、患者様やご家族に説明する際にも状況が共有しやすくなります。