木曜日, 2月 07, 2008

VFへのご質問への回答です

ヨッシーさんより,嚥下障害の検査(VF)についてご質問をいただきましたので,ここで当院ST志田より回答させていただきます.

ご質問ありがとうございます。さっそく質問に対する回答を記入させてもらいます。

Q:VF検査以外に嚥下機能を評価する方法はあるのでしょうか。

A:当院ではVF以外の評価として反復唾液飲みテスト(RSST)・改訂水飲みテスト・フードテストを行っています。各評価の方法は下記の通りです。

反復唾液飲みテスト:口腔内を湿らせた後に唾液飲みを30秒間繰り返す(30秒で2回以下が異常)

改訂水飲みテスト :冷水3mlを嚥下してもらう(3回繰り返し最も悪いものを評価する)

フードテスト   :ゼリーを食べてもらう(摂食状況を評価する)

当院では行っていませんが、他にも嚥下検査としてパルスオキシメータや頚部聴診、嚥下誘発テスト、咽頭二重造影、嚥下前後X線撮影等があります。詳しくは参考文献を参照してください(参考文献:「嚥下障害ポケットマニュアル」執筆 聖隷三方原病院嚥下チーム)。


Q:VF検査を行わず嚥下訓練をおこなってもいいのでしょうか。

A:VFの無い病院等では上記した検査法を中心に評価をし、訓練を行っているところが多いと思われます。嚥下障害の病態は様々であり、評価は必須です。VFの有無に関わらず正しい評価を行い、アプローチしていくことが重要と考えています。


返答になっているでしょうか?
わからない事がありましたら投稿してください。現在、「嚥下障害ポケットマニュアル」以外にも嚥下障害に関する文献も数多く出版されています。ぜひ参考にしてみてください。

高橋脳神経外科病院 リハビリテーション部 ST志田

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

改訂水飲みテストは何故3mlなんですか?

札幌宮の沢脳神経外科病院 さんのコメント...

ゆきさん 解答が遅くなり申し訳ありませんでした.
5ml以上になると誤嚥のリスクが高くなってしまい,1~2mlでは口腔内の唾液にまぎれて嚥下反射が惹起されにくくなることが報告されており,そのために3mlとなっているそうです.
また,3ml,4ml,5mlと段階を踏んで実施していく方法や最初から4mlから始めてみてはどうか?といったことも検討されているそうです.